雑草転生LEVEL X 第十一話

声をかけておく人。
それは、私を殺そうとした人。
何でこんな人に声をかけようと思ったのかは、私を殺す前に手が震えていて、ためらっているように思えたから。
何か事情があったのだろう。
それを聞こうと思ってる。

吹っ飛ばされた男達は、未だ動けないみたい。
まあ、死んでないでしょ。
そうしたら、一人動いている人が見えた。
近付いてみると、やっぱりだった。
私は声をかけた。
「全てが終わりましたよ。」
男は、「えっ、何が?」
と言って周囲を見て沈黙。
「一体何が?」
私は続けて、「だから、全て終わったんです。あの男はもう、いないも同然です」
男は聞いてきた。
「どういうことだ?」

「見た通り、全て私が倒しました。」

「うそだろ? 君みたいな女性が!?」

「私はちょっと特別なので。」

「・・・・・」

「聞きたいんだけど、あなたはあの時ためらいましたよね。何故ですか?」
「妻と娘を人質にされ、言うことを聞くしかなかったのだ。それより、すまなかった! あんたを殺そうとして。」
男は申し訳なさそうに、そう答えた。
「まあ、大丈夫だと思ったし、結局大丈夫だったでしょ?」
「いや、本当にすまなかった。こんな俺を許してくれるのか?」
「だから大丈夫だって。気にしないで。」
「人殺しにならなくてよかった。本当にありがとう!」
男は、心からの感謝を伝えた。
「はい、この話は終了。」と言い、手をパチンと打った。
「それで、もう一つ聞きたいことがあるんだけど、いい?」
「ああ、何でも聞こう。」

「私は王を殺したと聞いたんだけど、どうゆうこと?」
捕まった時に耳にしたんだけど、その時は考える余裕が無かったけど、さっき思い出した。
「あんた、レスフィナ姫は、王に触れただけで殺した、と聞いているが。」
「姫!? 私って姫だったの?」
突然、姫だと言われて、ちょっと戸惑った。
「ああ、あんた記憶が無いのか。」
「あ、あ~、実はそうなんだよね。あいつらに捕まったけど逃げて死のうとしたんだ。それが、ある人に助けらたんだけど、また捕まってしまってそれがショックで以前のことを忘れてしまったみたい。」
「俺もあいつの仲間だったので、すまなかった。」
「まあ、それはいいとして、あなたの名前も聞きたいんだけど。」
「お、俺は、ラドスという。」
男はそう名乗った。
「更にもう一つ質問、魔王って本当にいるの?」