雑草転生LEVEL X 第十二話
「魔王のことは、伝承があると聞いたことがあるが、それ以上は知らない。」
伝承があるということは、その可能性も否定出来ないということか。
「そっかー、いるかもしれないということかな? ありがとう。」
「それと、私が王を触って殺したことになってるけど、これ、間違いだから。」
「何? そうなのか?」
「じゃあ、ラドスさんを触ってみてもいい?」
「えぇっ!? あ、ああ、あんたを殺そうとしたわけだからかまわんよ。」
「どこか痛む所ある? そうだったらより良いかもしれないけど。」
「ああ、あんたに吹っ飛ばされて背中一面がまだ痛むが、大したことはない。」
「それじゃあ…」
と、ラドスにタッチしてみた。
「あ? 死んでないし、背中の痛みが消えた!」
ラドスはとても驚いているようだった。
「そうゆうこと。私の能力は回復です。それも一瞬で。」
これを聞いて、ラドスはとても驚いていた。
そして、こう言った。
「どういうことだ? 王はレスフィナ姫のせいで死んだのではなかったというのに。」
「私が考えるに、王を亡き者にする輩がいたのではないかと。もしかしたら、王は毒を盛られていたのかも。」
「では、王が死んだタイミングを知らしめたのもそいつらの仕業ということか!」
「多分、そうでしょうね。でも、私は記憶が無いから(本当は別人なんだけど)、この件については関与しません。姫ではなく、別人として生きていくことにしますから。」
「ああ、王家はもう終わりなんだろうな。なら、その方がいいだろう。」
「はい、なので、この件は終わりにしましょう。」
とは言ったものの、レスフィナの体を借りている以上、彼女の名誉は守らなければならない。
こう言ったのは、ラドスがこの件を詮索して彼の家族に被害が出ないようにするためだ。
この先、この体のままでは行動出来ないと思い、次の体を探すことにした。
けど、今の体慣れたので結構快適だったんだけど。
次は男に戻りたいなとは思うんだけど、男がいきなり女性の体になって大丈夫かな?とか思ったりする。
う~ん、これは難しい問題だ。
だが、幸運はやってくるのだった。