雑草転生LEVEL X 第四話

鳥になれてラッキー!
これで広範囲を探索して人間を探すことが出来る。

けど、いくら飛んで探しても全然見付からないな。
やっぱり人間は存在していないのか?
これでは転生した意味が無いだろ。
見る限り、どこまでも続きそうな森。
集落なんか全然無い。
上空ばかり飛んでいたので、今度は下から見てみることにした。
そして見付けた。
あれは橋じゃないか!
こんなの作れるのは人間しかいないじゃないか。
もう、喜びに打ち震えた。
が、ちょっと嫌な思いがした。
それは、文明が滅んだ後の遺物じゃないか、と。
でも見る限り朽ちた感じがしないので、それは無いな。

これを見付けたのは、かなりの距離から。
鳥って視力がいいな。
視力は4.0いや、それ以上か?
で、その橋に立っている人がいた。
おー!やっと人間見付けた。
女の人のようだ。
だが、様子がおかしい。
橋の欄干に足を…
危ない!と、俺は急いで飛んで行く。
これ、鳥が飛ぶ速度じゃないだろ、というくらい速く飛んだ。
落ちそう、となった瞬間、女の肩に止まって「転生!」と強く念じた。
そして転生したんだが、落ち…
咄嗟に掴まったんだが、右手だけ。
これヤバいんじゃないの?と思ったが、片手で体を楽に持ち上げられた。
左手でも掴んで上がろうと思ったら何と、ヒョイッと橋に着地した。
こんなのオリンピック選手並みだろ。
何この力?
これは虫の力の継承か。

さて、これからどうするかと思ってたら、何とこの女性の名前が表示された。
今まではこんなこと無かったのに、人間になったらステータス?が表示された。

そうしていたら、さっきまで自分の体であった鳥が周りで羽ばたいていた。
向こうもいきなりのことでショックを受けているのだろう。
でも、死のうとしていて新たな生を受けて良かったのでは、と思いたい。
そのうち飛び立って行った。
新たな人生?を生きてくれ。


で、私の名前は何?
え、えぇっ?!
今まで一人称は「俺」だったのに、何故か「私」に変わってる。
女性の体を得て、自動変換されたの?
まあ、それでもいいかなと、名前を確認してみた。
名前は、「レスフィナ」だった。